日照権の問題

買主が点検をするから内覧会の意味があるのに、売主自身が代行して、いったい何の意味があるのでしょうか。こういう業者は、不具合があっても自ら直すことはしないでしょう。休日しか時間が取れないのであれば、そう主張しましょう。「ダメです」と断られたら、不動産コンサルタント、各自治体の不動産専門の窓口などに相談してみてください。都市計画法に基づいて、それぞれの土地には用途に応じた制限が設けられています。用途地域は、全部で12種類に分けられています。Yさんの物件の地域を調べてみると、商業地域にあてはまります。商業地域とは、簡単に言えば銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。大型ターミナル駅の近くにもなるので、その地域にあるマンションはあらゆる面で住人にとっては便利です。しかし、商業地域であるがゆえの落とし穴もたくさんあります。マンションの隣の敷地がその不動産会社のものでなければ、将来建物が建つ予定があるのかどうかは、その敷地の大家さんにしか分からないでしょう。担当者がそれを把握せずに「当分建たない」と言ってしまったのは軽はずみかもしれませんが、そういう計画を聞いていないのなら、責任を追及するのは難しいと思います。「当分建たないだろう」という返答で納得してしまったYさんのほうに、落ち度があるのではないでしょうか。そのマンションに1生住むつもりであるのなら、いつかは同じ状況になっていた、ということです。それを納得ずくで買ってしまったのですから、判断が甘かったとしか言いようがありません。合法なだけに訴えても難しい残念ながら、「合法か非合法か」でラインを引いてしまう不動産会社は数えきれないほどあります。「太陽と暮らす住まい」との宣伝を信じ、隣のマンションに太陽を奪われてしまっては、笑うに笑えません。今、全国で日照権の問題で争っているマンションの住人はたくさんいます。二戸建てばかりの閑静な住宅街ならともかく、Yさんが住んでいる商業地域には日影に関する規制がありません。まったく日の当たらないマンションであっても、問題はないということです。裁判を起こしても、土地の利便性を重視し、周囲の住民に泣き寝入りを強いるような判例が多々あります。ただし、商業地域でなくても、最近は国立市のマンション紛争のように、日照阻害や近隣の景観などを理由に、マンションの上層部を撤去するよう求める判決も出ています。